2025.11.25

【関西電力、UI銀行】「預けるだけで、サステナブル。」を実現! 国内初のグリーン普通預金「CQ BANK」記者会見レポート

2025年11月18日(水)、関西電力とUI銀行が新たに展開する銀行サービス「CQ BANK」の記者会見が、FINOLAB(千代田区大手町 1-6-1 大手町ビル4F)で開催されました。
本会見では、サービス参入の背景、独自の戦略、そして「預けるだけで、サステナブル。」を実現する具体的な仕組みが語られました。
オープニング
会見のオープニングは、柴田 誠氏(株式会社FINO LAB Head of FINOLAB, Chief Community Officer)による開会の挨拶で幕を開けました。
進行は、酒井 真弓氏(株式会社しらすとたまご ノンフィクションライター)が務めました。
セッション1 ゼロカーボン社会の実現に向けた銀行サービス「CQ BANK」とは
登壇者:近藤 佳奈里 氏(関西電力株式会社 ソリューション本部 開発部門 ゼロカーボンソリューショングループ 部長)

参入理由:行動変容を促すインフラへの挑戦

近藤氏は、関西電力が金融分野に参入した背景として、ゼロカーボン社会実現の鍵が、顧客一人ひとりの「意識と行動の変容」にある点を強調しました。環境課題を理解しつつも行動に移せない「壁」を打破するため、同社は長年培ってきた社会インフラの知見を、金融サービスへ拡張することを決断。「お金を預ける」という日常的で普遍的な行動を通じて、無理なくゼロカーボン社会の実現に貢献できるサービスとしてCQ BANKを設計したと述べました。

(資料提供:関西電力)
CQ BANKの特徴
CQ BANKは、「社会貢献」と「経済的なお得感」の両立を徹底的に追求した、以下の3つの特徴を核としています。

①グリーン預金
集めた預金は「再生可能エネルギー」や「エコ住宅ローン」などのグリーン投融資に活用。
資金使途の透明化を徹底し、預金活動とグリーン投融資活動の関連を顧客に感じてもらう。

②ペイフォワード
紹介されて口座開設をした人に特典(1,500円)が付与される独自のプログラム。
自分は見返りを求めず次の誰かへ温かいバトンを繋ぎ、善意の連鎖(Pay It Forward)を社会に拡大させる。
③はぴeポイント還元プログラム
電気・ガスの料金の口座振替設定などにより、毎月の支払い額に対し最大4%のポイント還元。
サステナブルな活動に貢献できるだけでなく、実生活でお得感を実感し、経済的な利便性も両立。

今後の展望
近藤氏は、今後CQ BANKを育てていくうえで、引き続きお金の使い道の可視化にこだわって取り組む意向を示しました。「金利や条件だけでなく、この目的のためにCQ BANKにお金を預けたい」と顧客に思ってもらうため、グリーン投融資の効果に関する環境レポートとは別に、資金がどのように使われているかを分かりやすく発信していくことが、CQ BANKの重要なミッションであると締めくくりました。
セッション2 UI銀行のBaaS戦略
登壇者:安田 信幸氏(株式会社 東京きらぼしフィナンシャルグループ 常務執行役員/株式会社UI銀行 代表取締役社長)
UI銀行の強み:デジタルと金利の競争力
UI銀行は、東京きらぼしフィナンシャルグループのデジタルバンクとして、「高いデジタル利便性」と「金融商品としての競争力」の強みを両立させています。
高い競争力:1年もの定期預金で1%(税引前)の金利を設定しており、CQ BANKにも適用されるなど、金融商品として魅力的な水準を提供。
利便性:24時間365日利用可能で、入出金も含めスマートフォンで完結できる高いデジタル利便性を実現。
UI/UX:韓国の新韓銀行のリテール戦略思想を取り入れ、直感的に使えるユーザー体験(UI/UX)に注力。
CQ BANKを支えるBaas戦略
UI銀行は、将来的なBaaS(Banking as a Service)展開を見据え、システムとサポート体制の両面で柔軟性を確保しています。システム面では、クラウド勘定系と自社構築の「バース基盤(ミドルシステム)」を分離。CQ BANKは、この基盤上に搭載された「ホワイトラベルアプリ」として提供されることで、複数の事業者への柔軟なサービス展開を可能にしています。また、顧客サポートはデジタルを主軸としつつも、大阪拠点の設置や、きらぼし銀行店舗との連携を通じて、対面での住宅ローンや口座開設相談も可能とする「対面・非対面融合モデル」を採用し、地域に根差したサポート体制を強化しています。
グリーン預金実現の根幹
CQ BANKの核となる「グリーン普通預金」の実現は、きらぼしグループ内の特別な資金移動フレームワークによって可能になりました。安田氏によると、このフレームワークにより、通常の銀行では難しいとされる普通預金の全額を、再生可能エネルギーやエコ住宅ローンなどのグリーンプロジェクトへ長期的に投融資することが可能になったとのことです。この仕組みは当局の認可と外部認証を取得済みであり、透明性を確保するため、四半期ごとの活動開示に加え、年に一度、CO2削減効果などの開示を行う意向を示しました。

(資料提供:UI銀行)
今後の展望
安田氏は、CQ BANKの「ペイフォワード」など社会貢献につながるアイデアを全面的にサポートする姿勢を表明しました。その上で、銀行としての責務として、サイバーセキュリティやマネーロンダリング対策といった「守りの部分」の安全性を徹底的に確保しつつ、顧客の声に応じたサービスの充実を図ると述べました。最後に、「預けるだけで、サステナブル。」というコンセプトの実現に向けたサポートを徹底していくと締めくくりました。
パネルディスカッション
<パネラー>
近藤 佳奈里 氏(関西電力株式会社 ソリューション本部 開発部門 ゼロカーボンソリューショングループ)
安田 信幸氏(株式会社 東京きらぼしフィナンシャルグループ 常務執行役員/株式会社UI銀行 代表取締役社長)
<モデレーター>

酒井 真弓氏(株式会社しらすとたまご ノンフィクションライター)

―ゼロカーボン社会への鍵は「行動変容」と「トレードオフの解消」

[近藤氏] 私たちは自社の取り組みとして、エネルギーの供給側で脱炭素に取り組んでいます。しかし、最終的にゼロカーボン社会を実現するためには、お客様一人ひとりの意識を変えていかないと達成できません。
[安田氏] 近藤さんから「個人に草の根的な行動変容を起こしたい」というお話があったのは非常に印象的でした。グリーン預金を普通預金で実現したいという構想は、正直ハードルが高いと感じましたが、グループ一体となってやるべき使命だと感じました。
[近藤氏] 従来の脱炭素化は、「我慢しなければいけない」「コストがかかる」というトレードオフの関係になっていました。CQ BANKは、金融という誰もが利用するインフラを活用することで、経済的なメリットと環境貢献を両立できる。この仕組みが、皆さんが行動を踏み出す大きなきっかけになると考えています。

―普通預金でグリーン投融資を実現した仕組み

[安田氏] 普通預金は流動性が高い資産で、預かった預金の全額を長期のグリーン投融資に回すのは、銀行の仕組み上、非常に困難です。これを解決するために、私たちは東京きらぼしフィナンシャルグループ内の特別な資金移動フレームワークを活用しました。当局の認可も得た上で、CQ BANKで集まった預金の全てを、グループ内でグリーン投融資(再生可能エネルギーやエコ住宅ローンなど)に振り向けることで、一定の流動性比率を確保しながら目的を達成しています。金融も電力も社会インフラですが、この構想が約1年9ヶ月というスピードで実現できたのは、両社が強い意志を持って取り組めた結果だと感じています。

―善意の連鎖を生む「ペイフォワード」へのこだわり

[近藤氏] 通常の紹介プログラムは、紹介する側にもインセンティブがありますが、CQ BANKではあえて紹介された側のみに特典を付与する「ペイフォワード」型を採用しました。これは当社の強いこだわりでした。お金の見返りではなく、相手に喜んでもらうという「グッドなこと」を社会に広める喜びを体験してもらうこと。この見返りを求めない行為の体験こそが、社会貢献への意識変容(マインドの行動変容)のきっかけになると信じています。
[安田氏] 我々UI銀行の既存の仕組みにはなかった発想ですが、良いことが巡り巡っていく「善意の連鎖」を実現するという考え方をサポートすべきだと判断しました。

―可視化の徹底と安全性の確保

[近藤氏] 今後の目標は、お金の使い道の「可視化」に徹底的にこだわっていくことです。「金利や条件だけでなく、この目的のためにCQ BANKにお金を預けたい」と言ってもらえるよう、一般の方々にも分かりやすく資金使途を発信し、銀行サービスを大きく育てていきたいです。
[安田氏] 銀行としては、サイバーセキュリティやマネーロンダリング対策といった「守りの部分」の安全性をしっかり確保しつつ、お客様の声を聞きながらサービスを充実させていきます。「預けるだけで、サステナブル。」というコンセプトを実現するためのサポートを徹底します。
Closing

パネルディスカッション終了後、登壇者・関係者による記念撮影が行われました。
その後、会場では参加者間で活発なネットワーキングが交わされ、革新的な金融サービスの実現に向けた熱意が共有されました。
(取材、撮影、記事、編集・制作 :株式会社グッドウェイ )