2015.12.17
【グッドウェイ】仮想通貨サービスの導入に向けて専門家および金商取引業者の担当者が一堂に集まる、「金商取引業者向け仮想通貨ビジネス勉強会」開催!(FinTech関連)
2015年12月9日(水)、グッドウェイは、千代田の住友商事竹橋ビル内にあるTKPガーデンシティ竹橋において、「金商取引業者向け仮想通貨ビジネス勉強会」を開催した。協賛社(マネーパートナーズグループ、マネックスグループ、FXトレード・フィナンシャル、SBI証券、セントラル短資FX、
松井証券、ヒロセ通商、ワイジェイFX、OANDA Japan)
本イベントは、金融機関(金融商品取引業者を中心とした、FX業者、証券会社、銀行、商品先物会社、関係当局関係者)を対象に、仮想通貨サービスの導入に向けて専門家および金商取引業者の立場から、仮想通貨とは何か、金融商品取引法からみた解釈、具体的な取組みに向けたディスカッションなどを行う勉強会の場として開催された。会場には、金融機関の経営・企画の代表・役員・部長を中心に、営業、マーケティング、調査・研究、システム、監査・法務などの部門からの参加者が訪れた。
開演30分前より受付が始まる。1999年の手数料自由化からネット証券が本格的に誕生してから約16年。参加したFX業者や証券会社の中には、同業界内においてネット黎明期以前から関わる古くからの顔馴染みも多く、久しぶりの再会を楽しむと共に、これまでの金融市場では存在しなかった仮想通貨という新たな商品の可能性とマーケットについて強い興味と関心もあってか、後方に用意された追加席を含め、会場は満席となった。
冒頭の開演挨拶を行った、 グッドウェイ エグゼクティブ・パートナー 幸 政司(司会を兼務)は、来場者へのお礼の言葉と共に自身の簡単な自己紹介を行った後、仮想通貨については、国によって対応が異なるなど研究やビジネス展開に向けて金融機関や関連当局をはじめ真剣に議論が始まっている中、確かな現実として止めようもなく伸びている仮想通貨のマーケットを日本において健全に育てていくためにも、ぜひ自分の会社にとってどのように取り扱っていけばよいかという点で、今日の勉強会の場を含めてこれからも皆さまの役に立つべく取り組んでいきたいと挨拶した。
基調講演「仮想通貨とは何か、取り巻く世界の動き」には、Kraken 日本事業開発部長 三島 一祥氏が登壇。
Krakenは米サンフランシスコで2011年設立され、5つの法定通貨と7つの暗号通貨の通貨交換ができる取引所を運営。利用者は世界206ヶ国、足元では全世界で毎月5,000~7,000口座のペースで増えており、現在の登録アカウント数は約16万口座。取引高は、主な取り扱い仮想通貨(ビットコイン:BTC)で平均して1~2万BTC/日(多い時は、3.7万BTC/日)で、世界で5~7番目の規模。主にマイナーから調達したビットコインを個人の売買とマッチングしていると説明した。
日本では、デジタル通貨取引所サービスとブロックチェーン技術を用いたコンサルなどを行っていると語ったほか、米国における各州毎の規制やライセンスの状況、日本の状況としてビットコイン決済ができる店舗数、ビットコイン口座数(Wallet保有数)、取引高などについて解説。
また、三島氏は、ビットコインをビンゴゲームに例え、参加者全員による共通のルールと認識に基づいて運営されているようなものと紹介。さらに、仮想通貨が生まれた背景や発行状況、ブロックチェーンの特徴や仮想通貨を取り扱う際の注意点、業界標準策定(R3CEV)の動向、Krakenが来春に向けてサービスを予定している、複数の取引所がBlockstreamのサイドチェーン"Liquid"を用いてビットコインの送信を高速化する連携プロジェクトや、仮想通貨の使われ方など、今後の方向性も交えて詳しく解説した。
また、今後の法制化に向けた見通しとして、新法、金商法、銀行法、資金決済法のどれで進めるか、仮想通貨をどこでどのように定義するかなどの法制化の準備(2016年1月~3月)、国会審議(2016年5月~6月)、パブリックコメント(2016年9月~12月)、施行(2017年以降)というスケジュールの見通しを説明した。
講演「暗号通貨マーケットの現状と導入に向けての準備」には、マネーパートナーズグループ 代表取締役社長 奥山 泰全氏が登壇。
続けて奥山氏は、ビットコインに関するここ数年の動向や価格推移、急成長する市場規模について触れた上で、金商業者の視点から見た現状の問題点・課題として、原資産に対する消費税の扱いが統一されていないこと、暗号通貨の法的位置づけや約款・契約締結前書面等が未整備であることのほか、レバレッジ取引・提示価格 (スプレッド・スリッページ。約定方針)・暗号通貨の調達方法(カバー先)・顧客資産の保全措置・個人情報保護・リスクに関する説明が不十分であることなどを挙げ、市場が急成長している中で早期に整備していくことが不可欠であるとした。
さらに、金商業者としての事業開始にあたっての準備課題として、兼業許可、システム、カバー先・配信レートの確保、業者保有残高の管理スキーム、顧客資産の区分管理、会計基準(統一基準の必要性)、本人確認 (KYC:Know Your Customer)、顧客の課税処理(支払調書等)、クレーム対応(ADR:Alternative Dispute Resolution)を挙げ、それぞれについて解説。
最後に、このような現状と今後のビットコインビジネスへの事業参入に向けて、現段階で認められていない金商業者・金融機関の兼業許可について、法施行(2017年施行か?)までの間、新規参入業者(財務局登録希望業者)は登録待ちとなり、ビジネスインができない状態がしばらく続くことが予想されるとし、業者のとりまとめと監督当局との中間を担う業界団体かつ監督当局に代替しうる規制団体という存在として、法施行前の段階から、顧客保護・業者の安全性・健全性確保の視点で、段階的に整備されるテーマへの厳格なミニマムスタンダードを確立するため、金商業者・金融機関からなる自主ワーキンググループの必要性を唱え、今後も勉強会の頻度を上げていきたいと語った。
休憩時間中は、講師との名刺交換や、久しぶりの再会を楽しむ金商業者の関係者が近況について情報交換する姿が多くみられ、昨今の異業種が集うFinTechイベントの雰囲気とは異なり、スーツ姿の金融機関を中心経営者や企画担当者を中心に、今後の取組みについて語り合った。
「ATM、ECなどを介して使われるケースも。日本にいる外国人が海外送金として使うことも考えられる。」(三島氏)
「まだまだ日本では普及しているとは言えないが、先日、ビットコインプレゼントキャンペーンを行ったところ、当選者50名に対して、5,000人の応募があり、反響の大きさには驚いた。トレーディングとしての共感は想像以上に多く、FXのような使われ方でアーリーアダプターを中心に開拓が進んでいくというイメージ。」(中川氏)
「ビットコインはもうかるの?という声も多く、支払い手段というよりかは、投資対象として見られるケースが圧倒的に多い印象。」(桜井氏)
「値動きが大きいため、資産の安定性・保全性と、価値の安定性との矛盾をはらんでいる状態で、信用取引などでボラティリティが増幅されるなど構造的な課題もあり、トレーディングとして見る分にはいいが、決済手段としては並行してみていく必要があるのではないか。」(中川氏)
「日本には小口決済手段が数多くあり、日本円も安定しており、使う理由が見当たらない。一方で、海外では使う理由がある国もあり、そのような外国人が日本に来た時にどう対応するか、また、海外に行くときにビットコインが合った方がいい場合もあるだろう。目線を大きく持った方が良いのではないか。」(増島氏)
「最近では、VISAやマスターなど国際ブランド決済でも、どの通貨で決済するか選べる時代になってきた。ビットコインを資産として持っておくだけでも意味があり、利用できるチャネルや決済シーンも広がっていくことを期待したい。」(奥山氏)
「ボラティリティや流動性の観点で、状況を十分理解して覚悟をもって取引すべき商品性であることを認識しておく必要がある。そのようなことをしっかりと丁寧に投資家にガイダンスすることが業者の役割であり、普及には欠かせない。」(中川氏)
「信用、レバレッジなど各社毎に異なるが、既存事業者と金商取引業者で(最適解を)探っていく必要があるのではないか。」(桜井氏)
「日本の消費税に着目して還付金を中抜きする金の密輸が増えている事例などもあり、国際的な税のアンバランスは無い方が良い。」(奥山氏)
「例えば、電子マネー「Suica」に1,000円チャージしようとすると1,080円が必要になるというような状況にあり、誰が買うのか、はじめのエントリー段階が悩ましい。」(増島氏)
「世界的には既にダークな存在も様々な人が保有しているのも事実。規制する際には、キプロス、中国、ブラジル、ギリシャなどビットコインのニーズがある国は往々にしてマネーロンダリングに関する規制が十分とは言えない状況もあり、日本とのやりとりなど、考慮すべきところは多い。」(中川氏)
「日本では、テロが少なく、かつ大きな事務負担を強いられるアンチマネーロンダリングに対する対応や意識の低さは海外の先進国から指摘されているところでもあり、そのレピュテーションを払拭すべく、今後の規制で、仮想通貨とは何か、誰を規制すべきか、について、金融機関に対して真剣に取り組む方向にある。世界との差を認識した上で考えていく必要がある。」(増島氏)
「仮想通貨は、お金に色を付けるなどトレーサビリティーにおいても、これまでにない技術的な側面もあり、法で対応すべきか、技術で対応すべきか、考えていく必要がある。」(三島氏)
「FinTechの発展により、お金が便利になるほど、裏返しでリスクも増えてくる。また、海外のコミュニティーを見ても、ダークな勢力の存在を感じるなど、健全に育てようというルール作りと、不正を防ごうというルール作りはなかなか難しいものがある。」(桜井氏)
「急成長する市場を横に、何もせずに待っているわけにはいかない。早めに準備だけでも進めていきたい。」(奥山氏)
「世の中、全てが電子的な通貨になることを前提としたゼロイチの考えではなく、黎明期の中にある現状を踏まえながら、長い目で見ていく必要もある。」(中川氏)
「仮想通貨は生まれたばかりの赤子のようなもので、まだまだその技術を広く勉強していく必要がある。技術を知らないままに、やみくもに議論するのではなく、技術をベースに時間をかけて検討していった方が良い。」(三島氏)
「人さまのお金を預かる以上、国任せにせず、知見のある業者としてミニマムスタンダードを確立し、問題があれば直していくというスタンスでやっていけば良いのではないか。それによって、緩やかに、かつ最小限の規制の中で進められると思う。」(奥山氏)
その後、会場を移し『登壇者を囲んでの交流会』が行われ、用意された食事や飲み物をとりながら、今後の仮想通貨の取扱いについて活発な意見交換が行われた。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )
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