2024.11.18
【FinGATE(平和不動産)】FinGATE Campus 第13回「医・食・農のウェルビーイング」を開催!


その後、松元氏がウェルビーイングの成り立ちを簡単に解説。ウェルビーイングは、1946年にWHOが示した「身体的・精神的・社会的に良好な状態」という定義を起源とし、企業のCSR重視やデジタル化の加速に伴って、職業的健康や生きがいなどの領域にも概念が広がっていると紹介した。そして、テクノロジーとの組み合わせによって単なる心身の健康だけではなく、豊かな生き方を追求するうえでも重要性を増していると強調した。

講演の中盤では、DNAのメチル化状態を指標にした「エピジェネティック時計」の概念が紹介され、従来のカレンダー年齢だけでは捉えきれない「体の実年齢」を正確に把握する技術がいかに医療や健康管理を変えうるかが解説された。本人の遺伝的要因と生活習慣、さらに腸内細菌や食事の組み合わせを総合的に評価することで、将来的には老化速度を制御したり、疾病リスクを早期に察知できたりするかもしれないというわくわくする見通しが語られた。また、AIによる創薬や疾患予測の加速が起こることで、「人生100年時代」をはるかに超えて健康寿命が伸びるシナリオは、決してSF的な夢物語ではなくなる可能性があるとも言及している。
さらに講演後半では、新技術の実装が個人の生き方・働き方だけでなく、社会制度やコミュニティ形成にも影響を及ぼす点が強調された。たとえば、健康長寿を享受する層と、それを享受できない層との間に格差が生じるかもしれないリスクや、個人のライフプランや社会保障の仕組み自体が抜本的に変わる必要があるのではないかといった問題提起がなされた。そうした複合的な視点によって、ウェルビーイングは単に身体や精神の健康だけを意味するのではなく、社会全体のルール作りや人々の幸福観に深く結びついた広範囲な概念であることが示され、参加者からは驚きと納得が混じった反応が見受けられた。

一方、田ヶ原氏はアレルギーをもつ人々が安心して外食できる環境づくりが重要だと強調。単に「アレルゲン不使用メニュー」を設けるだけでなく、店舗スタッフへの情報共有やデータ管理の仕組みづくりを整備していく必要性を訴えた。そこには農業側との連携によって、原材料レベルでアレルゲンを可視化する視点も求められるという。また、掛氏は衛星データ解析を通じて農地の状況を把握し、持続可能な農業を実現する取り組みを紹介した。作物の生育状況や土壌の特性を正確に把握することで、化学肥料や農薬を最適化し、環境負荷を減らすだけでなく生産者の利益にもつながるという。
そうした事業領域の異なるプレーヤーの発想が交わることで、ウェルビーイングに関する議論は「食事や栄養だけ」では終わらず、食材の生産体制や流通、飲食店や医療機関との協働などへと拡張された。とりわけ、腸内細菌や生活習慣病の予防という医療的観点と、サステナブルな食材づくりや流通の高度化という農業・食の観点が密接に結びつくことで、人々の健康寿命を延ばすだけでなく、社会全体の負荷を軽減する総合的なシステムが見えてくると語った。
ディスカッションの終盤では、参加者からの質疑応答も活況を呈し、医・食・農の連携を支えるために必要なデータ基盤や投資・知財戦略、行政との協力枠組みなどが話題に上った。多くの登壇者が「まだ未熟な分野だからこそ、柔軟な実証と連携ができる」という認識を共有し、今後ますますの発展が見込まれる分野であることを強調。こうして「医・食・農」を軸にしたウェルビーイングの探求は、来場者にとっても具体的なコラボレーションの可能性を見出す意義深い場となった。

プログラム終了後は、会場後方でネットワーキングが行われ、温水 淳一氏(GuardTech検討コミュニティ 代表)による乾杯の音頭でスタートし、軽食やアルコールを楽しみながら互いに意見交換や名刺交換が活発に行われた。複数の来場者からは「異業種のスタートアップ同士でコラボのアイデアが浮かんだ」「研究者と直接話す機会が得られた」といった声が上がり、盛会のうちに幕を閉じた。

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