取材レポート:金融・IT業界向け

2024.04.23

【S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス】機関投資家向けセミナー「データインテリジェンスから導かれる投資の意思決定とリスク管理2024」開催!

 
 2024年4月23日(火)、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは、「データインテリジェンスから導かれる投資の意思決定とリスク管理2024」 を東京ステーションホテル1階 鳳凰の間で開催した。
 
 
 AI導入で革新的な変化を求められている金融業界。それに伴い、現行のデータ分析の強化、データガバナンス、セキュリティなど求められる課題が多様化している中で、本イベントは投資運用とリスクマネジメントに関連するデータ・ドリブン・インテリジェンスの分野において、業界のリーダーたちのこれまでの経験とこれからの考え方を紹介した。
 
開会挨拶
 

 

 野本 良一氏(S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス データ&インサイト エグゼクティブ・ディレクター セールスヘッド)は、革新的な変化を求められている金融業界に対して自社が目指すデータ提供について語った。その後、本日のセミナーの流れを伝え、開会挨拶とした。
 
セッション1 データドリブン経営の実績と課題 
 
 セッション1で藤咲 雄司氏(三菱UFJフィナンシャルグループ デジタル戦略統括部 副部長)は、これまでの為替トレーディングに見るデータドリブンについて実例を用いながら説明を行った。また、エクセルの普及を例に挙げ、テクノロジーだけでは成功できない点があると述べた。
 
 最後にデータドリブン経営とは経営層から現場にいたる社員全員が必要なデータを参照し、会社全体でデータに基づいたスピーディーな意思決定と行動が習慣化されている状態と語った。
 
セッション2 株式期待リターンと温室効果ガス排出量の関係に関する分析
 
 安達 哲也氏(PwC Japan 有限責任監査法人 パートナー)は一時のブームから比べると比較的落ち着いてきているものの、ESGへの取り組み姿勢が企業価値の上昇に対して重要視されていると述べた。実現リターンと期待リターンの区分けの重要性やGHG排出量と株式期待リターンに係る最近の実証研究の結果などを語った。

 

最後に本講演内容について大町 興二氏(S&PグローバルSustainable1 マネージングディレクター 日本ヘッド)より質問が行われる形で終えた。

 

 
セッション3
海外のサイバーリスクの事例から日本企業は何を学べるか?

 

サイバーリスク関連データの格付け分析への活用

 

 

 

 惠村 甲子朗氏(S&Pグローバル・レーティング 金融法人および公的部門格付部 アソシエイトディレクター)はサイバーリスクは信用格付けに影響を与えうるとして過去に起きた事例をもとに解説を行った。海外と日本のセキュリティ対策の人員についてやサイバー保険の普及率などを比較し、日本企業は不断にサイバーセキュリティーを高めていくことと、また対策にはコストがかかることから経営陣のコミットメントも必要であると語った。

 

 
セッション4 金融市場におけるオルタナティブデータの活用
 
 八木  政之氏(SMBC日興証券 グローバルマーケッツ企画部 副部長)は最初に、オルタナティブデータとは何かを具体的な例えを使って分かりやすく説明した。オルタナティブデータはインテリジェンスで使われている情報に近いと語り、陥りがちな失敗例をあげ、背景を知らずに使うと危険であることを伝えた。
 オルタナティブデータは複数のデータを組み合わせることで、サポートデータとして非常に有用であり、一定期間蓄積した後に役立つものもあるのでそういった事も考慮に入れて活用していくことが重要であると語った。
 
パネル1 経営視点からの生成AIの利用推進

<パネリスト>
 副島 豊氏(SBI金融経済研究所 研究主幹 兼 SBIホールディングス SBI生成AI室 プロジェクトコーディネーター)
 井口 亮氏(みずほ第一フィナンシャルテクノロジー データアナリティクス技術開発部 部長)


<モデレータ>

 甲斐 正樹氏(S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス アカウントマネジメント ディレクター)
 
 このパネルでAIを導入する時期についての質問が行われた。完成したものを使いたいという方が多いかもしれないが、走りながら軌道修正していくことも必要であるとし、それには経営者の胆力すなわちリスクを取る必要もあるのではないかと述べた。その後も生成AIの利用推進について活発な意見が述べられた。
 
パネル2 生成AIの運用実務への適用
 
<パネリスト>
日向野 智邦氏(バーテックス・インベストメント・ソリューションズ シニアポートフォリオマネジャー クオンツ運用部クオンツ運用グループ)
泉田 晋佑氏(アセットマネジメントOne フィナンシャルイノベーショングループ ファンドマネジャー)
小島 祟氏(aiQ Head of Sales)

<モデレータ> 
 甲斐 正樹氏(S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス アカウントマネジメント ディレクター)

まず、日向野氏よりチャットGPTとは何か、資料を用いながらわかりやすく説明が行われた。
泉田氏はチャットGPTの課題として膨大なデータから回答を導き出すため、事実と異なる返答が行われる可能性があることについて語った。また、AIの推進事例をあげて、実務的な使い方を説明した。
小島氏からはお客様への導入の観点から具体的な事例をあげて語った。また、システム開発と生成AIは非常に相性が良いと思うと述べた。
 
その後、モデレーターや会場からの質問に対してパネリストそれぞれの経験談を交え、回答が行われた。
 
閉会挨拶
 
 
 閉会にあたって、Eric Takigawa氏(S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス マネージングディレクター 日本ヘッド)は、本日登壇したスピーカー及び参加者に対しての感謝を語り閉会挨拶とした。
 
懇親会  

 

 登壇者や参加者同士での有用な情報交換が行われた。
投資運用とリスクマネジメントに関連するデータ・ドリブン・インテリジェンスの分野における現時点及び今後について参考となった。様々な事例紹介もあり、データ分析強化の重要性を感じられた。今後、これらの分野がどのようにさらなる進化をしていくか注目したい。
 

(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ